働き方改革やワーク・ライフ・バランスという言葉をよく耳にする時代ですが、昔は仕事と生活を調和させるなどという、考えは存在していなかったと思います。
昔はどうだったか
そもそも、人が働きに出て朝から晩まで一定の時間働くという考えは、工場などが発達した昭和の始めだったと思います。工場を経営するには決まった時間に従業員が作業を行えば生産率を測定することが容易だったという理由もあります。また、大勢の従業員を管理する為にも同じ屋根の下で一定の時間内で働いてもらうことが当たり前でした。
このようなスケールの産業が発達する以前はほとんどの人が店や個人事業を営んでいたり、農家や漁業などで今でいうSelf Employedの形で仕事をしながら暮らしていたわけです。ところが、いつの間にか、多数の人口が、「雇われる仕事」に就くのが普通になっていきました。そのために故郷を出て上京したり、時には先祖代々続いている家系のビジネスを継ぐ代わりにわざわざほかに職を探すことをした方々もいたでしょう。
もちろん、それはその時代にそのような働き方をするのが一番望ましかったからだと思います。また、その頃は大学を卒業していい会社に就職すれば定年退職まで安定した収入が入り、年を重ねるごとにほとんど自然にランクが上がるというような仕組みになっていました。
私の父も、大学を卒業して商社に就職して将来が保証されたようなエリートでした。しかし、ある日、当時はメガ商社だった勤め先が倒産し、父は仕事を失ったのです。幼い娘二人と、老人の両親を含む家族を一人で養っていた父は、その後何年も苦労をしました。当時は今とは異なり、転職する人は珍しく、幸いに再就職ができたものの、自分より年少の上司の下で働き、不満足なキャリアを単にサバイブしていました。
21世紀の今
時代は変わり、今では転職をして、いろいろな経験を得て成果を出した人材が逆に求められるようになってきました。また、学歴のみではなく人生経験やリーダーシップスキルなども重視されてきたと思います。
でも、過去20年間に働き方の変化を可能にしたのは、人々の考え方だけでなく、いちじるしく発達したテクノロジーのおかげでもあります。今では、過去に手作業で行っていたことを容易に処理できるようになりました。
現代に育つ子供たちには想像もできないかもしれませんが、パソコンのない時代に私たちは簿記や会計の作業をしたり、インターネットがない時代にメールーオーダーで物を売るという、今では考えれれないような時間を要する方法でビジネスを営んでいたのです。
今は、あらゆるものがインターネットで購入でき、パソコンのおかげで手作業で行っていた多数の仕事を短時間でこなすことができるようになりました。また、コミュニケーションも容易になり、当時は最も安く、速く海外にいる家族と友達と連絡を取り合うのはFAXを使用するくらいでしたが、今ではビデオコールも普通な時代です。
テクノロジーの発達は、いちじるしいスピードで起こっています。あらゆるエリアで自動化が進んでいることは、誰もが実感していることでしょう。
このため、今まで人間を必要としていた業務はAIが活用され、私が勤めてきた税務や会計の業界でも数年後には従業員を必要としなくなるといわれています。
3年ほど前に、日系の保険会社がロボットを導入して30人ほどの従業員を解雇したニュースがありましたが、前向きの企業はそのようなビジョンをポジティブな意味で持っているところが多いと思います。
ですから、昔私たちが考えていたような、「定年退職まで安心」という仕事はもう存在しないといえるでしょう。
本当の意味での働き方改革とは
でも、ひっくり返せば、このようにテクノロジーが発達した世の中だからこそ、各自が働き方を見直す最善なチャンスでもあります。テクノロジーのおかげで時間や場所に制約されない働き方が可能になっている時代です。私たちの生活の中でそれをすでに実現している人が大勢います。時間や場所に制約されない働き方をすることによって、子育てと両立させることや、趣味や旅行の時間を持つことを可能にし、本来のワークライフバランスが楽しめるのだと思います。
事業内容はそれぞれ異なっていても、使っている道具は同じです。インターネットがそれを可能にしています。
インターネットのパワー
普段からすでにインターネットを使って行うことが増えてきていると思います。ネットでニュースや情報を検索することはもちろん、買い物や予約から、セミナーや講習を動画で受講することや、読書や趣味まで人々は物やサービスにアクセス、購入しているのです。
アメリカやヨーロッパではほぼ90%に浸透しています。世界中では77億人がインターネットを使用していて、一年前に比べて1000%以上増加しています。
では、どのようにしてこのネット時代を有効に働き方を変えることができるのでしょうか。
それは、頭を切り替えることから始まります。産業発展の時代の前に、多くの人が個人事業を営んでいたように各自収入源の「設置」に責任を取る姿勢を生み出すことから始まります。
ほんの30年前は、起業をするとなると、莫大な資金が必要でした。お店を一つ開くのでも、店舗を確保するだけでも大きなリスクを抱えてから行い、集客にはローカルの新聞に広告を出すぐらいでした。テレビのコマーシャルなんて、個人事業には全く関係のない世界でしたし、そんな高額な宣伝は大企業以外できませんでした。
しかし、ネットのおかげでお店はオンラインで開店が可能、店舗を持たなくてもアマゾンのプラットフォームから販売することもできます。また、ネット上でSNSなどを利用して広告を出すと、特定のネットユーザーにのみ広告を見えるようにしたり、何人の人がどの広告を見たかさえも測定できます。また、テレビの代わりにYouTubeの視聴者が発達している中、同じように動画のコマーシャルを個人事業でも使うことができるようになっています。
このように、起業から宣伝、集客までも昔では想像できないほど低額で、事業を始め、営むることができるようになったのです。このようにしてインターネットの可能性は無限だとお分かりいただけると思います。
次回のメルマガでは、ネットビジネスのいろいろな種類についてお話ししたいと思います。きっとあなたにぴったりのビジネスが頭に浮かんでくると思います。お楽しみに!